就職に関する問題

薬剤師には、薬剤師2010年問題ともいうべき、深刻な就職に関する問題があります。

これは、2006年から始まった薬学部6年制と、少子化による大学の存続問題が大きくかかわっています。

まず、少子化による大学の存続にかかわる問題からについてですが、少子化に伴って、大学では入学してくる学生の数が激減し、経営にも影響が出てきているという現状があります。

大学は大学存続のため、人気のある学部の新設等によって、少しでも学生を多く集めようと努力しています。

そういう中で、薬剤師になるためには必須である薬学部は学生からの人気も高く、多くの学生が受験する傾向にあります。

そのため、大学側としては薬学部の新設をしたいというところが多くありました。

そこへ文科省の規制緩和によって大学に神学部を創設しやすくなったということもあって、2003年から薬学部がいくつか新設されるようになり、最終的には15,000人以上の学生が薬学部に在籍するようになったといわれています。

こうして薬学生が増えたということは、実質的に薬剤師の供給も増えるということにつながります。

そしてそこへ、薬剤師2010年問題があります。

これは、2006年度から始まった薬学部6年制に伴って、4年制からの移行期間にあたる2010年と2011年は、新卒の薬剤師がいなくなるということが関係します。

この2年間は新たな薬剤師がほとんど生まれませんので、その間に薬剤師を求める現場では、何とか薬剤師の数が少なくてもやっていけるように制度を変えていかなければならなくなります。

その一つが登録販売員制度ともいえます。

また中途採用も増やしたりして、少し現場を離れていた薬剤師ももう一度復職しやすくしたりしています。

そのようにして薬剤師が少なくてもよい環境を整えた後、2012年からは多数の薬剤師が誕生することになります。

その頃には、薬剤師の数が少なくてもよいようになってしまっているため、薬剤師の資格を持った人は多くいても働くところがないという状況が生まれてくることになります。

その他、調剤薬局の薬剤師の数はそろそろ頭打ちになり、現状維持傾向になるでしょうし、病院の経営に関してもなるべく人件費を抑えるという傾向から、薬剤師を雇用しなくなる傾向も増えてきています。

さらに、インターネットを経由して個人輸入をしたり、ドンキホーテで認められたテレビ電話での薬剤師対応により、店舗に薬剤師が常駐する義務がなくなったりして来ているということから、薬剤師の需要は減少していくと見込まれています。

増加する供給と、減少していく需要のはざまで、薬剤師は今後、余剰となっていくことが見通されているということです。

そのため今後は、薬剤師として就職し、働いていくためには、何かしらの専門薬剤師としての技術や知識を身につけ、高度な薬学の知識をさらに提供できるようになったり、コミュニケーション能力を身につけて患者さんとの接し方に問題がないということをアピールできるようにしたり、介護や在宅医療など、今後必要とされる機会が増えるであろう領域に関して、積極的にかかわっていったりするという姿勢が求められるようになります。

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